n4n44の偉そうなブログ

まだまだ小僧ですが、色々と偉そうに話します。

『オービタル・クラウド』を読みました。

 お久しぶりです。

先日、オービタル・クラウドを読み終えました。かなり面白い作品だったのですが、少し気になる所もあったので記事を書いている次第です。

まず、作品のあらすじというか流れを大まかに説明すると、日本の流れ星予測webサービス「メテオ・ニュース」を運営する主人公(かなり頭がいい)が、流れ星の予測を行うと、ただのデブリが加速してるおかしい、といった謎から国家の陰謀であるとか、野望であるとかそう言ったものに関わりながら謎の根源に立ち向かう話です。

雑ですが、重要なのは、主人公(かなり頭がいい)、の部分です。さきに言ってしまうと、この作品の主要人物は軒並み超が付くほど優秀です。(あくまで個人の感想です)

作中、いわゆる工作員やエージェントが登場します。彼らが優秀なのは、わかるのです。しかし、主人公は頭の中で軌道上の物体をシミュレーションできます、コンピューター並みの精度で。主人公の相棒メカニックは、国家の工作員を出し抜けるほどの力を持っています。(一応、納得できないではない説明はされていますが。)

いわゆる凡人は多分片手で数えられるほどしか登場していなかったように思います。

ただ、1つ勘違いしてはいけないのは、これだけ優秀な人物が作品の流れを壊すような事はなく、むしろ作品に絶妙な読みやすさをもたらしている事です。

どこかで見かけましたが、登場人物に感情移入しにくいです。しかし本当に読みやすい、面白い作品になっています。少し違う気もしますが、「シン・ゴジラ」に近い雰囲気でしょうか。

また、宇宙の話ではあるのですが、IT関連の話もかなり多く、特に小型のLinuxマシン〈ラズベリー〉はほとんどキーアイテムのように扱われています。こういった身近なモノから謎に挑戦していく様はかなり「熱い」です。

ここまで書いてきましたが、僕はこの作品の構成は、宇宙への親しみの様なものを感じさせるように組まれているのではないかと思います。宇宙SFといえば『2001年宇宙の旅』くらいしか読んだ事がありませんが、あちらとは違い、この作品は現代から容易に想像が出来る世界です。これが上手く働いているのでしょう。身近なモノで爽快感すら感じるように、謎の解明へ進んでいく優秀な登場人物。こういえばある意味で人物設定は妥当だったのかなともいます。

最後に、これはある意味で仕方ない事かもしれませんが、謎の解明はかなり「熱い」ですが、解明の後、問題の解決はすごくあっけなかった印象です。最終的には軌道上の問題は主人公の様な民間人だけでなくエージェント個人でもどうこうできる物ではなく、主観的に解決する様子を見る登場人物がほぼいなかったので、印象が薄くなってしまったのだと思います。

まとめると、少し気になる部分はあるものの読んで良かった、色々な人に読んで欲しい作品でした。

どうでも良い事なんですが、序盤の酷評されていたクソ映画ってG.I.ジョー2作目の事だったんでしょうか。(あれは、何考えて作ったのか分かんない映画でしたね...)